カイロ、整体、マッサージってどう違うの?

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『整体と、マッサージってどう違うの?』

『カイロプラクティックと整体って、どう違うの?』

 と患者さんからよく質問されます。

 基本的に、あんま・マッサージ・指圧師というのが、日本における手技療法
の国家資格であり、カイロプラクター、整体師というのは法的資格ではないと
いうことを最初にお断りしておきます。

 なので、あんま・マッサージ・指圧師というものについては、一定の水準を国が
保証しているということになります。しかし、カイロ、整体というものについては、
何の基準も、法的規制もないので、実際問題、それがどんな施術を言うのか、
規定するものがないんですね。法的には・・・。
 
 もちろん、カイロプラクティックについて書かれた専門書には、学術的な記載が
あり、国内外を問わず信頼できる臨床例も十分にあり、有効性は間違いないと思
うんですが。

 ただ、あなたも『一週間でカイロプラクターになれる!』なんていうセミナーを受講
して開業している人も大勢いるという事実も動かしがたくあるわけです。
 カイロや整体を受けるときには、飛び込みでいきなり受けるんじゃなくて、治療を
受けた人から評判を聞いてからにした方が良いでしょう・・・?いやいや、これは、
有資格者の治療を受けるときも同じですね(笑)。
 資格があるから、上手い、治せるというわけじゃないですから。

 調理師免許がある人と、無い人、どっちが料理が上手いのかなんて、資格のある
なしではわかりませんからね。

 こんなことを書いておいてなんですけども、
 ・・・えー、一応わたくしも、鍼灸指圧の資格を持っています。
 あ、もちろん、鍼灸も国家資格ですよ。



「カイロって、効くんですか?」
「鍼って治るんですか?」
 なんてことも、患者さんから聞かれます。

 ホントのことを言ってもいいですか?
 このページをお読みになっているあなたにだけは、ホンネを申し上げます。

 ・・・・ナイショですよ。

 ここだけの話ですが、本当のことを言うと、そんな質問には答えようがないんですね。

 どういうことかと言うと、
「空手って強いんですか?」
「相撲取って最強ですか?」
って聞かれても答えようがないのと一緒です。
 
 フランシスコ・フィリョが強いとか、朝青龍が強いとかっていうことは言えますが、空手
が強いかどうかなんて、答えようがないですよね。
 習い始めたばっかりの中学一年生の男の子と、極真カラテ世界チャンピオンとを、同じ
“カラテ”というくくりで扱うわけにはいかないでしょう。

 え?分りにくいですか?
 フランス料理と、日本料理、どっちが美味しいですか?って聞かれても、答えようがない。
 これなら、わかりますか?

 その人、あるいはその症状との相性もありますし、その人の人柄とか複数のファクターが
存在して症状が良くなったりするわけです。
 一概に、カイロだったら何でも治る!とか、
 鍼灸は万能だ!なんてことは言えないんですよ。
 ・・・。正直すぎる意見でゴメンナサイ。


 鍼灸にしても、指圧、整体にしても、カイロにしても、機械の故障を直すようなやり方で、
人を治しているわけではないんですね。
 人の体に本来備わっている自然治癒力、それを阻害している要因を取り除いて、本来の
力が発揮できるようにしているということですから。
 鍼灸の見立て、カイロの見立て、整体の見立てがそれぞれ違っていたとしても、どれかが
間違っていて、どれかが正しいということはないんです。
 (一口に鍼灸といったところで、各人各様の見立てと治療法が存在するわけですしね。)

 それぞれの治療法のなかの生命観、人間観というものが違うんだから、診断や治療法が
違って当たり前なんです。身体というシステムをどう見るか?という観点がちがうんだから、
それで良いんです。

 鍼灸、東洋医学的身体観も、カイロプラクティック的身体観も仮説であり、フィクションであり、
一つの“見立て”ということですから。
 フィクションだから無効だということにはならないんです。
 有効に作用するフィクションなんて、世の中に溢れていますよね?

 ある理論のもとに身体を扱う。例外が出る。その例外を説明し包摂する理論を構築する。
 理論に基く技術を開発する。それに適応できない症例が現れる。また、その症例を包摂する
理論を補強する・・・。こうした試行錯誤の結果、今現在にいたる。そういうことですから。

 そういう意味では、それぞれの治療法が今でも有効であり続けているから、なくならないの
でしょう。
 
 すみません、前置きが長くなってしまいました。


1、マッサージ

 現代の日本では、相手の体を揉んだりさすったり叩いたりして、
コリをほぐす術というような意味でマッサージという言葉が使われ
ているようですね。


 マッサージ(massage)というのはフランス語です。
 語源は、アラビア語の『おす』(mass)、ギリシャ語の『こねる』
(sso)からきたもので、ラテン語の『手』(manus)と同一語源で
あるとされています。

 ちなみに按摩の按は『おす』、摩は『なでる』という意味です。

 厳密な定義としては、マッサージは術者の手指をもって生体の皮
膚に直接主として求心性の手技を強弱の刺激として生体に加え、
生体の変調を整え健康を保ち、増進させる施術である。

 ということになってます。
 ギリシャの医聖ヒポクラテスは
『医師たるものは、医術についてのあらゆる学理とともに、マッサ
ージを習得しなければならない』と説いたとされています。

 マッサージが日本に入ってきたのは、明治20年で、軍医官の橋
本乗晃氏が、フランス流のマッサージを紹介したとあります。
 以後、日本古来の按摩術と混交して現在、国家資格としては、あ
んま・指圧・マッサージ師として統一されています。

 まあ、実際問題として、今の日本では、あんまと指圧とマッサー
ジを厳密に区分することは不可能だろうと思います。
 
 治療として行われる経絡指圧、経絡按摩と、温泉やサウナの慰安マッ
サージは違う・・・。と言いたいところですが、温泉やサウナでも、名人が
潜んでいたりするので、侮れません(笑)。ほんとです。
 わたしも、随分教わりました。

 ちなみに指圧というのは、日本古来の按摩術と、明治以降に入っ
てきた西洋式手技療法、カイロプラクティック、オステオパシー、スポ
ンディロセラピーなどの技術を取り入れて日本で誕生したようです。

 大黒貞勝氏によると、指圧の名称が生まれたのは、大正9年以降
のことだそうです。というのは、この年にあんま・マッサージとい
う名称が法律のもとに規制されるようになったために、マッサージ
に変わる新しい名称が必要となり、『指圧』という言葉が生まれた
ということらしいです。

 

(参考文献 『経絡と指圧』 増永静人著)
(参考文献 『あん摩マッサージ指圧理論』 教科書執筆小委員会著 )



2、カイロプラクティック

 カイロプラクティックは、1895年に創始者のダニエル・デビッド・
パーマーが始めた治療法です。
 パーマーは、医学の専門教育を受けたわけでもなく、食料雑貨の
お店をやりながら骨相学と心霊研究をもとにして、カイロプラクティック
療法を開発しました。
 
 後に、息子とともに無資格診療の罪で逮捕され、合衆国をあち
こち放浪して無一文で亡くなりました。
 しかし、息子のバートレット・ジョシュア・パーマーは商才にたけ、
カイロの学校を大繁盛させました。
 
パーマー親子の提唱するカイロの教義は、
『あらゆる病気の原因を椎骨の関節間転位に求めることであり、カイロプラク
ティックの実技は、椎骨調整してあらゆる病気を治すことである』
 
 というものでした。

 アンドルー・ワイル博士の世界的ベストセラー『人はなぜ治るのか』からの
引用ですが、随分な書かれ様ですね。
 

 さすがに、今は、あらゆる病気の原因が椎骨の関節間転位である
なんて言うカイロプラクターは少なくなったみたいですが・・・。
 アメリカでは、州ごとに資格制度があり、医師に準じる格付けが
されているようです。

 『カイロプラクティックは芸術であり、思想であり哲学である。』

 そうです。その意見には反対しません。

 野球は芸術であり哲学である。イチロー選手がそう言ったとしたら、
誰も、反論しないでしょう。
 茶道、華道、舞踊、武道・・・。みんな極めれば、芸術であり哲学に
まで昇華します。

 面白いことに、始まりは大道芸であり、庶民の娯楽だったものが、
高尚な文化芸術に練り上げられていくというようなことはよくあること
なんですね。

 カイロプラクティックも、そういう意味では、時間とともに練り上げられ、
完成されていった治療理念、治療術なのでしょう。


 日本では、残念ながら公のカイロプラクターという資格はありま
せん。
 だから、たった1週間であなたもカイロプラクター!というセミ
ナーの宣伝が雑誌に載ったりしていますが、あれは、セミナーを主
催する団体が認定証を授与するというもので、公の資格ではないと
いうことです。
 

 とって付けたようで申し訳ありませんが、素晴らしいカイロプラクター
の方も日本におられますよ。
 ちょこっと首筋に触れただけで、原因不明の視野狭窄が治ったという
人の話を聞いたことがあります。

 手技療法というものは結局個人の力量が大きくものをいうので、標榜
する治療法よりも、施術者個人の能力が本当は大事なんですよね。

 だから、治療法よりも、術者の人柄を重視した方が良いんですね・・・。
 正直に言うと・・・です。


(参考文献 『人はなぜ治るのか』 アンドルー・ワイル著)



3、整体

 さて、整体というものが一番やっかいなんです。定義づけできな
いんですね。現在の状況では。
 整体という看板を掲げて、マッサージをしているところもあれば、
カイロ的な骨格矯正をしているところもあるし、中国整体といって、
推拿を施術しているところもあるし・・・。
 
 法的な整備がまったくされていないというのはカイロと同じなん
ですが、創始者が誰なのか?もともとの治療理念はどういうものな
のかもよくわかりません。
 
 結局、無資格診療をするときに、マッサージや指圧と名乗ると法
律違反になるから整体と看板を出しているところが大半であるよう
です。

 もちろん、野口整体や、井本整体のような素晴らしい技術と理念
を持った整体もあるのですが、今現在の状況では、ちょっと整体を
定義するのは難しいですね。

 そんなことを言いつつも、検索エンジン対策で、タイトルに整体っ
て書いてしまいました(笑)。

 もちろん、整体師さんのなかにも、素晴らしい治療家はたくさん
おられますよ。
 野口整体創始者の野口晴哉先生の著書は、わたしの愛読書の
一つですしね。
 『健康生活の原理』(野口晴哉著)はオススメの一冊です。


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