スポーツをしている学生の方へアドバイス。



 トレーニング法として考えなくてはいけないことは、部分の総和は全体ではないということ。
自動車も、エンジンとガソリンタンクとシャーシーとタイヤをデタラメにくっつけても動きません。
どんなに良いエンジンと車体とタイヤを用意してもバランスがとれていなければ軽自動車にも
劣ります。


 例えば、横綱の朝青龍、ヤンキースの松井選手は筋トレ否定派です。その競技に必要な
筋肉はその競技の動きのなかで鍛えるべきだという理論です。清原選手は筋トレ好きで怪我
ばかりしています。
 あ、ここで言う筋トレとは、マシンを使った所謂“科学的トレーニング”というやつです。
 特定の筋肉に狙いをつけて、個別に筋肉をボリュームアップするというトレーニングです。

 今、相撲取りに怪我人が続出するのは、過密スケジュールもさることながら筋トレのやり過ぎ
が原因ではないかと言われています。
 四股とテッポウとぶつかり稽古。やはり強くて怪我をしない相撲取りを作るのは実戦の動きに
基づいた稽古しかないんじゃないかと。

 筋トレをするなら、全体の動きのバランスを崩さない程度にするべきです。

 筋トレをすると筋肉がついて重くなります。ウェイト制の競技では不利になる可能性があります。
それよりも、今ある筋肉で動きの精度を高めていった方がいいのではないでしょうか。
 例えば脱力すること。これだけでパンチの破壊力はアップします。20パーセントの緊張から100
パーセントの緊張にもっていっても生かされるエネルギーは80パーセント。0パーセントの緊張か
ら100パーセントの緊張にもっていけば100パーセントのエネルギーが生かされます。

 またパンチを打つときに働くのは伸筋ですが、このとき屈筋の緊張はブレーキとして働いてしまう
ので邪魔にしかなりません。屈筋を脱力したままパンチが打てるようになれば、それだけでパンチ
力がアップします。力を抜けば抜くほど力が出るということです。

 あるいは、緊張すべき筋肉の全てのベクトルをピンポイントで統一させることが出来たら、今まで
と同じ力で破壊力は倍増します。

 そして、早さ。速さではなく、早さ。いかに早く脱力と緊張をコントロール出来るか。

 それが、スピードと破壊力の源泉になります。コントローラブルな筋肉を作る。パワフルな筋肉を
作るよりも大事なことだと思います。
 部分の総和は全体ではない。個々の筋肉の強さよりもその使い方が大事だということです。

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